The Thai name for the Shan people
タイは多民族国家。
タイ族(小タイ族)、中華系(華僑)、マレー系、インド系、その他の少数民族で構成されています。
タイの北に位置するここチェンマイにも、ミャンマーのシャン州を系譜としたシャン族(大タイ族、タイヤイ族) の集落があり、独自の文化を持っています。
タイ料理やミャンマー料理とはちょっと違ったシャン族の独自の料理を食べるのも、また興味深い!
シャン族は、発酵食品を好み、辛さはなく、油分も少なめなものが多いので、日本の人も食べやすいかな、と思います。
今回の記事は、そんなチェンマイのシャン族エリアをシェアしますね。
シャン族って?
タイでは少数民族と言われますが、現在のタイとミャンマー(ビルマ)の間に付近に住んでいた氏族で、ミャンマーでは最多数のビルマ族に次ぐ約10%の人口と言われています。
彼らは、公用語とされるビルマ語(ミャンマー語)以外に シャン語 と言われる独自の言語を話し、その宗教背景も、仏教や、イスラム教、古来から受け繋がれるアミニズムと様々。知人のチェンマイ在住シャン族は仏教徒です。
国籍は違えど、同じ氏族の人に会うと、氏族の言葉で話し、そして同族に会うと話しが弾むようです。

海外で、同郷 博多出身の人に会って博多弁で話す感じやな

急にスケール感小さくなるな

何度も通っている旧市街北側にあるシャン族食堂。
この辺りには、シャン族の人が多く住んでおり、シャン族の民族衣装も売られています。(後述します)
エリアに足を踏み入れると、看板やメニューがビルマ語(ミャンマー語)になるのが興味深いですね!

タイ語 | ヤムミアン |
ミャンマー語 | ラペット(ラペットゥ) |
シャン語 | ミヤンコー |
お店によって呼び方が ミヤンコー(シャン語)だったり、ラペットゥ(ミャンマー語)だったりしますが、ここではネットでよく使われている ラペットゥ で統一します。
英語では「Tea Leaf Salad(お茶の葉サラダ)」として欧米の人にも好まれているようですよ。
北タイからミャンマー、ラオスあたりまででよく食べられる発酵茶 ミアン を使ったサラダなのですが、これがとってもおいしい。
お店によって味が違って、私はいつも行く食堂の ラペットゥ が大好き。
発酵させたお茶の葉っぱ ミアン、漬物、野菜類、そして乾燥させた豆をあえたサラダ。豆のカリッとした食感がまた絶妙に美味です。
いつも行くシャン族(タイヤイ族)の食堂でいつもは注文しないメニューを頼んでみた
— なもたん@🇹🇭 ▷ 写真 × 放浪 × web (@namotan2019) January 12, 2020
ちょ…え….?なに?
うますぎるんだけど勘違い?
やばいので明日もうまいか確認しに行く😳 pic.twitter.com/nFaLRLLvek
ミアン はこれ ↑
お茶の葉っぱの新芽に、砂糖や塩などを混ぜ込んで、発酵させています。
眠気覚まし、そして歯磨き粉のかわりにもなるそうで、北タイのおばあちゃんたちがカミカミしているのを見かけました。
味は、甘くて苦い、そしてそのまんま発酵の味。
味を楽しんだら、ぺぺぺっと吐き出します。
嗜好品としてのお茶が普及する以前から、民族の人たちに親しまれていたというから、私たちが目にするお茶の飲み方よりも歴史が古いようです。
最初食べた時はちょっと苦手かなぁという感想だったのですが、2回目3回目と慣れてきて、清涼感が口の中に広がる気がします。

ベルちゃん
北タイの人たちの ガム みたいなもんねー

あ….
そういう立ち位置なの…..?
▲ チェンマイ市街で 噛み茶 ミアン を探したい場合は ワロロット市場 か、雲南ムスリム市場 がわかりやすいと思います。作ってないこともあるので、買えるかどうかは運次第になります。
大豆じゃないトーフ?シャン族ごはん

タイ語 | カオフンローン |
ミャンマー語 | トーフーヌエ、トーフーウンヌェン |
シャン語 | トーフーウン |

豆腐と同じように豆で作った食材があります。その名も トーフ。
ネットで見ていると、トアプー というカタカナ表記もあります。なんとなーく、その辺で誤魔化しながら発音することにしています。
原材料は、大豆ではなく ひよこ豆やえんどう豆。
粉にしたものが売られていまして、それに、水を入れて、火にかけたら、こんなに粘度のあるものに仕上がるんです。
麺にまだ暖かい状態のトーフをかけて頂きます。モテ〜ンとした食感で、麺にがっちり絡みつくのが特徴。

ミャンマー語 | ワントーフ |
シャン語 | トーフカット |

こちらはでんぷん質だけで冷え固まったトーフを切って、再度温めて、大きめの麺状にする ワントーフ
これに辛味があるソースをかけて頂きます。
ぶっとい麺、というイメージでしょうか。
この ワントーフ は、冷やしても食べることができます。
サラダを混ぜ込んだものが カオフンイェン。
カオフンイェンはタイ語で、イェンは、冷たいとか、サラダという意味なのだそうです。
ややこしい…(涙)

ミャンマー | トーフジョー |
トープコー |
そして、このシャン揚げ豆腐。おいしい!
スナック感覚で、おやつにも食べることがあるそうです。ビールのおつまみに◎!揚げたては、外はカリカリ、中はトロトロ。冷えても、独特の食感ですね。
ピリ辛ソースにつけて頂きます。
そのほかのシャン族ごはん

シャン語 | カオソーイイー |
ミャンマー語 | シーケット |

チェンライで食べたカオソーイとも、ラオスで食べたカオソーイとも、もちろんチェンマイで食べたものとも違うカオソーイ。
シャン族版のカオソーイでしょうか。
ちょっと真偽のほどはわかりませんが、お店の人は「カオソーイ・イー」だと言っていました。
辛味は自分で足していくスタイル。イメージ的には、焼きそばの味に近い感じです。
基本は豚肉入りだけど、あまりお肉を欲しない体質なので外してもらっちゃいました。

ミャンマーも仏教徒が多いため
お肉なしで、と言っても
あ、そうなのね?くらいでよけてくれる

多様性があっていいな


ミャンマーに行った時に揚げ物のことを アチョ と呼んでいましたよ。
お茶の葉っぱ ミアン の揚げ物や、豆の揚げ物、豆腐の揚げ物、パインの揚げ物。パパイヤの揚げ物っておもしろいですよね。甘さはなく、野菜フライのような感じです。
私は ひよこ豆のヌードル トーフーウン の中に入れて、バリバリとしなしなを楽しむ派です。
東南アジアでは揚げ物料理が多いですよね?
なんでかなぁと思って、以前、旅先で出会ったイタリア料理のコックさん(日本人)に尋ねたことがあるんです。
① 調理がしやすい |
② 揚げれば何でもおいしい |
③ 食中毒対策で1日に何度も揚げる |
という理由が考えられるそうです。
確かに、夕方頃に揚げ物見ると、けっこう油がまわっている…
食べる場合は、目の前で揚げたものじゃない限り、ランチの時間くらいまでに食べるのが良いのかもしれません。
▲ トーフヤオは、チェンマイからバンコクに発送されいってました。(宅配便の人が取りに来てた)
バンコクにもシャン族エリアがあるのかなぁと思っています。
シャン族食堂の中はこんな感じ


お店の入り口には雑貨コーナーがあります。
食品やお菓子、そして薬。薬は、医薬品ではなく、自然由来のものなんだとか。東洋思想に基づく東洋医学です。
苦手な方は苦手かもしれませんが、個人的にはこういったものに興味津々。
1つ、味見をさせてもらいました。
粉っぽくて….なんだか木の根っこの甘さ。
これは咳止め。ミャンマーでは体調が悪い時に飲まれるそうですよ。

これはミャンマーの葉巻タバコ。
ミャンマーの若い子たちは、西洋タバコを好むようになったことと、この葉巻のまわりの葉っぱが有害だということで、将来的にはなくなるかも?とのことでした。
ミャンマーでは噛みタバコ クーン もありますね。
おっちゃんたちが、ペッと道路に吐いたツバが血だと思ったら、ココナッツの仲間であるヤシ科の実の液だったります。
台湾では檳榔(ビンロウ)と呼ばれていますね。

食堂の中は簡単なつくり。
テーブルの上には、タイ料理のお店にもあるような調味料が置いてあるので、味が物足りない時は自分で調節できます。
決して豪華なレストランではありませんが、大好きな食堂です。

このあたりの長屋には何軒かシャン族食堂があります。
グーグルマップにもおおざっぱな所在地しか書いてないのでちょっとわかりにくいですが、探索しながらこのママさんを目印にしてくだい!
簡単な英語を話されます。娘さんも学校で勉強している英語で一生懸命話してくれる。
私も決して流暢な方ではありませんが、行くとなぜか妙に盛り上がる大好きなお店。
【お店の情報と地図】Vegetarian Food Ratsamitham Foundation
WEB : 記載なし
場所:Unnamed Road, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
電話 : 記載なし
時間:8am-2pm(不定休日)
シャン族おやつ


▲ カオプック好きで作った動画w(いつか作り直そうと思ってます)

北タイで食べられるものなのか、シャン族で食べられるものなのか、雲南省付近で食べられるものか….もう分けるものでもないかと..

このあたり大きな国があったということなので関係あるのかな?と思ってる
歴史料理研究家の人とか詳しそうだよね(わくわく
▲ これもシャン族エリアで購入しました
伝統衣装


このエリアにはシャン族の服屋さんも、仕立屋さんの長屋もあります。
ミャンマーでは正装としても、普段着としてもロンジーという筒型のスカートのようなものを着用しています。
氏族によって柄が違うようですが、これはシャン族の柄なのでしょうか?
インドもそうなんですが、ミャンマーも女性が足を見せるのはお上品ではないそう。
だけど、お腹は見えても良い。そのへん感覚はちょっと日本人とは違いますね。
こちらは魔除け。寝つきが悪い子どもの頭にうすーく塗るんだとか。
私も使ってみましたが、元から寝つきが良いので効果のほどはうーん…日本に帰って友人のこどもに試してみます。
まったくの無臭でベタつきもないものです。原材料は Oil(オイル)とのことですが、何の油かまではわかりませんでした…..

シャン族エリアでよく見るこの看板。
この写真の方、特別な電話番号を販売しているそうです。
数字に魔力があると信じられているようで、数字の並びがポイントだとか。
実際、この方から電話番号を買って、宝くじが当たったとか、病気が治ったとか、家を立てたとか…
これも真偽のほどはわかりませんが、どなたか電話番号を買ったらぜひ結果をおしえてください!
さいごに
いかがでしたか?
今回は、チェンマイでミャンマーを感じることができるシャン族エリアをブラ散歩してみました。
写真を見て感じていただけたら分かるとは思うのですが、決して裕福なエリアではありません。
行って危険な雰囲気はないですが、少し前はちょっと治安がよくないよ、と言われていたエリアだそうで、もし行かれる場合は繁華街ニマンヘミンに行くような服装は避けた方がいいかなぁと思います。
付近には、ワットクータオや、ワットパーパオという、タイのお寺とはまた違う歴史を持つ 仏閣 ↓ があります。
シャン族エリアで散策も楽しんでみてくださいね!